洋書は読みにくい?ハリー・ポッターで検証

やさしい洋書ハリー・ポッターの読みやすさ

架空のスポーツのルールが難しい 【124ページ】

'Now, Quidditch is easy enough to understand, even if it's not too easy to play. There are seven players on each side. Three of them are called Chasers.'

'The Chaser throw the Quaffle to each other and try and get it through one of the hoops to score a goal. Ten points every time the Quaffle goes through one of the hoops. Follow me?'

'Now, there's another players on each side who's called the Keeper -- I am Keeper for Gryffindor. I have to fly around our hoops and stop the other team from scoring.'


クイディッチのルールについて、キャプテンのオリバー・ウッドが説明するシーンの一部です。

14人が箒に乗って戦うクイディッチはハリー・ポッターのシリーズを通して描かれています。
箒に乗ってというのが、魔法の世界らしいですね。
ブラッジャーという鉄球が競技場を飛び回って、選手に攻撃するというのもらしいです。

既存のスポーツとは全くことなるスポーツですので、ルールを理解するのが難しいと思います。


引用部分は難しい単語は出てこないので、英語の読解力さえあれば理解できます。

ただ、ローリングの造語が多いので、ちょっと難しいと感じるかもしれませんね。
あと、架空のスポーツなので、読者側に予備知識がありません。
そのあたりも、難しいかな。

何れにしても、英語の読解力がどの程度あるか見るには、良いシーンだと思います。

食べ物の名前は難しい 【92ページ】

He had never seen so many things he liked to eat on one table: roast beef, roast chicken, pork chops and lamb chops, sausages, bacon and steak, boiled potatoes, roast potatoes, chips, Yorkshire pudding, peas, carrots, gravy, ketchup and, for some strange reason, mint humbugs.

roast beef│ロースト・ビーフ
roast chicken│ロースト・チキン
pork chop│ポークチョップ。豚の骨付き肉の料理ですね。
lamb chop│ラムチョップ。子羊の骨付き肉の料理。
sausage│ソーセージ
bacon│ベーコン
steak│ステーキ
boiled potatoe
roast potatoe
chip│フライドポテト。アメリカ英語の場合は、chip といえばポテトチップですが、イギリス英語の場合はフライドポテトのことを指すようです。
Yorkshire pudding│ヨークシャープディング:小麦粉に牛乳・卵黄などを加え, 肉汁をかけて焼いたもの
pea│えんどう豆ですね。どんな料理でしょう?
carrot│ニンジンです。これだけでは、どんな料理かわかりませんね。
gravy│グレイビーソース。調理された肉汁をつかって作るソース。
ketchup│ケチャップです。
mint humbug│ミント入りのキャンディーですね。

食べ物には、苦労させられます。
日本では珍しい料理もあるので、そういうのはなかなか難しいですね。

今回引用した部分に出ている料理はオーソドックスなものが多いです。
でも、chips がフライドポテトであることとか、ヨークシャープディングとかなんて分かりにくいですよね。

他のページではjacket potato とかshepherd's pie なんてのも出てきます。
それぞれ次のような意味です。

jacket potato│皮つきのまま焼いたジャガイモ
shepherd's pie│シェパードパイ:ひき肉をマッシュポテトの衣で包んで焼いたパイ

日本人には分かりにくいものも多く、食べ物の単語には苦労させられます。

食べ物の英語は難しい。架空のお菓子の英語。【76ページ】

He had never had any money for sweets with the Dursleys and now that he had pockets rattling with gold and silver he was ready to buy as many Mars Bars as he could carry -- but the woman didn't have Mars Bars. What she did have were Bertie Bott's Every-Flavour Beans, Drooble's Best Blowing Gum, Chocolate Frogs, Pumpkin Pasties, Cauldron Cake, Liquorice Wand and a number of other strange things Harry had never seen in his life. Not wanting to miss anything, he got some of everything and paid the woman eleven silver Sickles and seven bronze Knuts.

ちょっと長めに引用しました。
ホグワッツ・エクスプレスの中で、ハリーがお菓子を買うシーンです。

食べ物を表す単語は、私たちに馴染みが無いものが多く、難しいです。
しかも、このシーンでは、魔法の世界のお菓子です。
作者のローリングの造語も多くさらに難しいと思います。

●お菓子の名前

Mars Bars│実在のお菓子
Bertie Bott's Every-Flavour Beans│Bertie Bott というのは、作っている会社の名前です。色々な味がする粒上のお菓子みたいですね。
Drooble's Best Blowing Gum│Droobleは製造メーカーだと思われます。
Chocolate Frogs│かえるチョコレート。これはそのままでしょう。
Pumpkin Pasties│pasty はパイですね。かぼちゃのパイです。
Cauldron Cake│cauldron は大きな鍋のことです。鍋の形をしたケーキでしょうか?あるいは、鍋で焼いたケーキかな?
Liquorice Wand│liquorice は甘草(かんぞう)という植物のようです。甘味料として使われます。wand は魔法の杖のことです。魔法の杖状の甘いお菓子みたいです。

これらの名前から、どんなお菓子か想像できた人は、かなりの英語力の持ち主だと思います。
普通の日本人には、ほとんど分からないのではないでしょうか?

ちなみに、Sickle とKnut は魔法の世界のお金の単位です。
もちろん、ローリングの造語です。

引用部分は、なかなか難しかったのではないでしょうか。

意図的に文語的な表現を使う部分もある 【57ページ】

Enter, stranger, but take heed
Of what awaits the sin of greed,
For those who take, but do not earn,
Must pay most dearly in their turn,
So if you seek beneath our floors,
A treasure that was never yours,
Thief, you have been warned, beware
Of finding more than treasure there.

グリンゴッツの入り口にある、泥棒への警句です。
文語的なスタイルで書かれています。

この部分、難しい単語はほとんど使われていませんが、理解できない人も多いのだと思います。
多分、少し難しい単語は次の3つぐらいでしょう。

take heed of ?│?に気をつけなさい
sin│罪
beware│気をつける

難しい単語がほとんど無いにも関わらず、理解するのは簡単ではないわけです。
厄介なのは、単語の難しさだけではないと言う例の一つでしょう。

一見難しそうですが、書かれている内容はそれほど難しいことではありません。
簡単に書くと、「盗もうなんて考えるな。悪いことをすると、痛い目を見るよ。そのことに気をつけなさい。」という内容です。

読み取れましたか?

学校に持っていくもの│語彙力が無いと、状況が読み取れない 【53ページ】

Other Equipment
1 wand
1 cauldron (pewter, standard size 2)
1 set glass or crystal phials
1 telescope
1 set brass scale


ホグワッツからの手紙に書かれていた手紙です。
これを読んで何をもっていかないといけないか分かりますか?
ある程度高い語彙力がないと、ここに書かれた短いリストだけでも理解するのは難しいはずです。

このリストの内容が理解できないからと言って、ストーリーが追えないわけではありません。
しかし、物語に対する理解が落ちることは確実です。

最後に、単語の意味を書いておきます。

equipment│備品、器具
wand│魔法の杖
cauldron│大鍋
pewter│しろめ(すずなどの合金)
phial│小瓶
telescope│望遠鏡
brass│真鍮
scale│はかり

イギリスの学校制度が分かりにくいと内容が理解できない 【28ページ】

When September came he would be going off to secondary school and, for the first time in his life, he wouldn't be with Dudley. Dudley had a place at Uncle Vernon's old school, Smelting. Piers Polkiss was going there, too. Harry, on the other hand, was going to Stonewall High, the local comprehensive.

ハリーが小学校を卒業して、どの中学(secondary school)に入るかについて描いたシーンです。

ハリーが進学を予定しているのはStonewall High と言う学校です。
この学校はthe local comprehensive であると書かれています。

comprehensive school というのは、日本で言う公立の中学校のようです。

comprehensive school
総合中等学校:入試はなく, だれでも11歳になれば入学できる
(プログレッシブ英和中辞典)


一方ダドリーは、その後の記述などからpublic school に通うようです。
public school というのは、寄宿生の中高一貫の学校です。
public という名前がついていますが、私立の学校です。

public school
((イングランド・ウェールズ))パブリックスクール:ふつう寄宿制の私立中・高一貫校で, 有名大学への進学をめざす生徒を教育する;Eton, Harrow, Rugby, King Edward's (Birmingham)など
(プログレッシブ英和中辞典)


教育システムとか、社会の仕組みなどの基礎知識がないと、物語の設定の部分が分かりません。
そのような場合、話を十分に理解することが出来ないことも考えられます。

古い言葉が使われる 【56ページ】

A plump woman outside an apothecary's was shaking her head as they passed, saying, 'Dragon liver, sixteen Sicles an ounce, they're mad ...'

ハリーがハグリッドとDiagon alley を通るシーンです。
薬局の前で太った女性が「ドラゴンのレバーが…」と話しています。

ここで注目はapothecary's と言う表現。
「薬屋」という意味なのですが、敢えて古風な単語を使っています。
最近の英語ではa pharmacy とかa drugstore という言葉を使います。

敢えて古い言葉を使うことで、Diagon alley の古めかしい感じを演出しているようです。

ハリー・ポッター シリーズでは、演出のために、敢えて古い単語を使うよう事があるようです。
魔法使いが使う鍋にcauldron という単語を使っていますし、ダンブルドアが感嘆語としてalas という単語を使います。
alas は悲しみや心配を表す言葉ですね。
日本語で言うと、「ああ」という感じでしょうか。


その他の部分をちょっと補足しておきましょう。

Sicle は魔法の世界でのお金の単位の一つです。
作者のローリングによる造語です。

plump は太ったと言う意味です。

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